田中屋のこだわり|仕入れと等級

自分の目と鼻で選ぶ「入札」

海苔の収穫は、11月〜3月の冬場だけ。短い季節の中で、その年の海苔の質が決まります。

良い海苔を少しでも手頃な価格でお届けするには、12月〜4月の間に10回ほど開かれる海苔入札に、自分の足で出向くしかありません。

田中屋海苔店では、社長が富津の海苔共販所まで直接出向いて、確かな目利きで買い付けています。

仲介を挟まず、自分の目と鼻で海苔を選ぶ。それが、品質と価格を同時に守るための、田中屋の基本姿勢です。

富津の共販所が扱う千葉海苔の産地は、富津・木更津・市川(行徳)・船橋。かつては浦安も名産地でしたが、漁業権の放棄により現在は養殖できません。田中屋と浦安の海苔の歴史については、こちらをご覧ください。

数字では測れない「職人のランク分け」

競売にかけられる前に、経験を積んだ漁業協同組合や共販所の職員が検査員となり、乾海苔の等級を決めます。

乾海苔の等級

さらに千葉県の入札では、等級に加えて品質特徴を示す記号がつきます。これが実務では非常に重要です。

追加区分記号

田中屋の海苔ランクについて

こうした等級と区分記号を踏まえた上で、入札会場で実際に乾海苔を触り、香りを確かめ、最適な値付けをして競り落とします。

仕入れた後は乾燥機にかけて焼き上げ、弊社の焼海苔ランク(上特選・特選・上)に振り分けます。

「何等だから特選」という機械的な線引きはありません。

等級・区分記号に加えて、仕入れ価格、火入れの加減、販売時の状態——そういった要素を総合的に判断しています。数字だけでは語れない部分が、職人の仕事だと私たちは考えます。

おいしい海苔との出会いは、一期一会

乾海苔や焼海苔は、もとは海藻です。だから、海の状態がそのまま味に出る。柔らかさ、香り、塩気の強弱、口の中での溶け方。まったく同じものは、ひとつもありません。


「この前とまったく同じ海苔をください」


「とてもおいしかったから」と、そう言ってくださるお客様がよくいます。田中屋を気に入ってもらえたことが、素直にうれしい。

でも同時に、正直に言わなければならないことがあります。前回とまったく同じ海苔を差し上げることは、できないのです。
お魚屋さんで「この前とまったく同じ味の魚をください」と言えないのと、同じことです。

袋の色(紫・茶・青・青混ぜ)でお気に入りを決めてくださる方もいます。

ただ、同じ「紫の上特選」でも、封入されている海苔は購入のタイミングによって変わります。若干厚みのあるもの、光沢がすばらしいもの、封を開けたときの磯の香りが芳醇なもの——

どれも、購入してくださった方すべてにご満足いただけるよう、ランクに見合った、あるいはそれ以上の品質の海苔を各色の袋に封入しています。安心してお選びください。

海苔との出会いをより良きものにしていただくために、お店に来たときはぜひ試食を。

手巻き寿司なのか、お弁当なのか、用途によっても合う海苔は変わります。そのときどきの一期一会を、ぜひ体験しに来てください。

ネットでご購入の方は、インスタグラムをのぞいてみてください。現在封入している海苔がどのような品質かを都度お知らせしていますので、ご購入の際にはぜひ参考にしてみてください。